○○ニム(-onym)とつく言葉の一覧。
エポニム
- 「人物の名前に由来する言葉」
ギリシャ語のepi(後に)+onoma(名前)の合成語。発見者や発明者の名前が多いが、紹介した人の名(スティグラーの法則など)や、後世の見立てによるもの(小町算など)などの場合もある。
具体例はこちらを参照
matomemorandum.hatenablog.com
アクロニム
- 「単語の頭文字のアルファベットを並べたもの」
ギリシャ語のakron(先端)+onoma(名前)の合成語。頭字語ともいう。
なお、PC(ピーシー)、GDP(ジーディーピー)、BPM(ビーピーエム)、IoT(アイオーティー)などのように、略語のアルファベットを1文字ずつ読んでいくものを特にイニシャリズムという。
バクロニム
- 「すでにある言葉に頭字語の意味を持たせたもの」
ギリシャ語のback(後)+acronymの合成語。あいうえお作文に近い。
具体例
- SOS
- →Save Our Ship
遭難信号。
もともとはモールス信号では・・・---・・・となり打ちやすいためこの3つのアルファベットが選ばれた。
- DVD
- →Digital Versatile Disc
もともとDegital Video Discの略とされたが、ビデオ以外にも使われるようになったため、「多用途」を意味するversatileが用いられるようになった。
- A.R.E.
- →Aim, Respect, Empowerment
2023年度の阪神タイガースのチーム目標。監督の岡田彰布が、優勝を意識しすぎず、また、過去に優勝を明言しながらも逃したことがあったため、優勝を「アレ」と呼んで濁していたことに由来する。
レトロニム
- 「言葉の意味が拡張したり変化した時、元の意味を表すために新たに作られる言葉」
ギリシャ語のretro(古い)+acronymの合成語。
以下に具体例として挙げるもの以外にも、アナログ(⇔デジタル)、自然(⇔人工)、天然(⇔人工)、生、物理(⇔仮想)、有人(⇔無人)などのように接頭辞としても多く存在する。
具体例
後に発見されたジャイアントパンダが「パンダ」と呼ばれるため。
- 在来線←新幹線
1964年に新幹線が開通したことで、もともとの鉄道が「在来線」と呼ばれるようになった。
- オオウミガラス←ペンギン
もともと北半球に生息していた飛べない鳥のことを指したが、南半球に生息する同様の鳥もペンギンと呼ばれた。1844年にもともとのペンギンが絶滅したため、南極に住むものがペンギンと呼ばれた。
- アコースティックギター←エレクトリックギター
- 永久磁石←電磁石
- 固定電話←携帯電話
- 焼き八つ橋←生八つ橋
- 野生動物←家畜動物
キャピトニム
- 「頭文字が大文字か小文字かで意味が変わる単語」
capital(大文字の)+onoma(名前)の合成語。
アプトロニム
- 「人物の職業や功績と一致している名前」
apt(適切な)+onoma(名前)の合成語。
エンドニム/エクソニム
- エンドニム
endo(内の)+onoma(名前)の合成語。内生名ともいう。
具体例として、日本(にほん、にっぽん、ひのもと)、大和(やまと)など。
- エクソニム
ex(外の)+onoma(名前)の合成語。外生地名ともいう。
具体例として、Japan、Zipangu、倭など。
トートニム
- 「生物の学名において、属名と種小名が同じであるもの」
taut(反復)+onoma(名前)の合成語。反復名ともいう。
具体例
- Alce alce(ヘラジカ)
- Bison bison(アメリカバイソン)
- Chinchilla chinchilla(チンチラ)
- Gorilla gorilla(ニシゴリラ)
- Gorilla gorilla gorilla(ニシローランドゴリラ)
- Iguana iguana(グリーンイグアナ)
- Mola mola(マンボウ)
- Pica Pica(カササギ)
- Regulus regulus(キクイタダキ)
- 日本最小の鳥。
- Cardinalis cardinalis(ショウジョウコウカンチョウ)
- アメリカの野球メジャーリーグのチーム、「セントルイス・カージナルス」の由来。
- Casuarius casuarius(ヒクイドリ)
- 世界一危険な鳥。