アルケー(arkhe)とは、古代ギリシャの哲学者が考えた万物の根源。
水
- →タレス
ミレトスのタレス, Thares, 624B.C.~546B.C.
万物の根源は水hydorであり、大知は水の上に浮かんでいると考えた。
地面に移った影と自分の身長からピラミッドの高さを求めたといわれる。
天文学を用いて日食を予言したり、オリーブの収穫時期を見極めて搾油機を買い占め、富を得たりしたといわれる。
円周角の定理の一つ「半円に内接する三角形は直角三角形になる」をタレスの定理という。
最期は古代オリンピックを観戦中に熱中症で亡くなったといわれる。
火
- →ヘラクレイトス
Herakleitos
万物は流転しており、変化と闘争が万物の根源であり、その象徴が火pyrであるとした。
孤独な境遇での暗い著作が多かったため、「泣く哲学者」といわれる。
土
- →クセノパネス
Xsenophanes
万物の根源は土giであると説いた。
また、神は全知全能で唯一なものであると説いた。
空気
- →アナクシメネス
ミレトスのアナクシメネス, Anaximenes, 585B.C.~525B.C.
アナクシマンドロス(後述)の弟子。
万物の根源は空気aerであるとした。
四大元素(リゾーマタ)
- →エンペドクレス
Empedocles
万物の根源は水、火、土、空気の四元素(リゾーマタrhizomata)であり、それらを結びつけるピリアーphiliaと分離させるネイコスneikosがあると考えた。
革袋で強風を封じたり、死者を蘇らせたといわれる。最期は神と一体になるためエトナ山の火口に飛び込んだという。
イタリア、シチリアにある火山。標高3326m。
ギリシャ神話の怪物テュポーンが封印されていると伝えられる。
数
- →ピタゴラス
Pythagoras, 582B.C.~496B.C.
「サモスの賢人」と呼ばれる。
「万物は数である」という考えのもと、ピタゴラス教団と呼ばれる宗教的組織を結成し、数の研究をした。
三平方の定理を発見、また、完全数や友愛数を命名した。
全ての数は有理数であると信じていたため、無理数を発見したヒッパソスという弟子を処刑したといわれる。
アトモス(原子)
- →デモクリトス
Democritus
アトモス(atmos, 不可分のもの)が万物の根源であると考えられた。
明るい著作が多く、「笑う哲学者」と呼ばれる。
原子説は長らく顧みられなかったが、19世紀に入ると ドルトンらが、化学的に分割不可能なものとしての原子を提唱した。
アペイロン(無限)
- →アナクシマンドロス
Anaximandros, 610B.C.~546B.C.
万物の根源はアペイロン(apeiron, 無限なるもの)であると考えた。
「アルケー」の語を初めて用いた。