○○現象の一覧。
目次
ライデンフロスト現象
- 「高温の固体に液体を垂らすと、液体が蒸発した蒸気の層により、液体が瞬時に蒸発しないという現象。」
熱力学・物理化学。フライパンの上に水を垂らすとなかなか蒸発しない現象。
ヨハン・ラムスデン(Johann Leidenfrost, 1715~1794, 独, 医師)による。
ラムスデン現象
- 「牛乳や豆乳を温めると表面に膜ができる現象。」
生化学。ホエイタンパク質のβ-ラクトグロブリンの熱変性によっておこる。シチューやカレーに起こるものも同様とされている。
ウォルター・ラムスデン(Walter Ramsden, 1868~1947, 英, 化学者)による。
ダイラタンシー現象
- 「水溶き片栗粉などに力を加えると、一瞬だけ固体のようになる現象。」
連続体力学。剪断増粘性ともいう。力が加わることで粒子の並びに変化が生じ、間に水が入ることで起こる。
フェーン現象
- 「気流が山を越えるとき、高温で乾燥した風となって吹き降ろす現象。」
気象学。断熱変化によって起こる。日本のからっ風、アメリカのチヌークはこれを伴う。Foehnとはアルプスを越えてドイツに吹き降ろす風。
バルーニング現象
- 「クモなどが糸を使って空を飛ぶ現象。」
別名を「雪迎え」といい、冬の季語。糸を風に乗せるとともに、静電気の力を使うことで、長距離移動を可能にしている。
ウィンブルドン現象
- 「門戸開放した結果、外来勢が優勢になり、地元勢が淘汰される現象。」
もともとローカル大会であったテニスのウィンブルドン選手権に、世界中から強豪が集まることで、イギリスの選手が勝てなくなったことにちなむ。日本では、大相撲で日本人力士が活躍できないことなどがその一例である。
エルニーニョ
- 「太平洋の赤道付近から南米沿岸にかけて、海水温が平年より高くなる現象。」
気象学・気候学。さまざまな異常気象に影響を与えると考えられている。もともとクリスマスの時期に南米の海水温が上昇することを指していたため、スペイン語で「神の子」を意味する「El Niño」と名付けられた。
ラニーニャ
- 「太平洋の赤道付近から南米沿岸にかけて、海水温が平年より低くなる現象。」
気象学・気候学。エルニーニョと同じく異常気象に影響を与えるとされる。エルニーニョに対して、「女の子」を意味する「La Niña」と名付けられた。
プルキニエ現象
- 「明るい場所では赤色に近い色がよく見え、暗い場所では青色に近い色がよく見える。」
神経学。プルキンエ現象とも。
ヤン・エヴァンジェリスタ・プルキニエ(Jan Evangelista Purkyně, 1787~1869, チェコ, 生理学者)。細胞の研究を行い、細胞説に貢献した。
クロノスタシス
- 「アナログ時計を見たときに、秒針が一瞬止まって見える現象。」
生理学。サッカード(saccade, 視界の揺れを抑制するための急速眼球運動)によって引き起こされる。語源はギリシャ語の、chronos(時間)+stasis(持続)。
デリンジャー現象
- 「太陽フレアの爆発により、電離層に異常が発生し、通信障害が起きる現象。」
突発性電離層擾乱ともいう。太陽フレアから発生するX線や紫外線により電離層の電子密度が増加、短波が吸収される。
ジョン・デリンジャー(John Dellinger, 1886~1962, 米, 電気通信工学者)による。
コリジョンコース現象
- 「直角に交わる道路上で、相手の車を視認することが困難になる現象。」
collisionは「衝突」の意味。田園型事故や十勝型事故とも呼ばれる。前方の斜め45°に車がいる状態で同じ速度で進み続けると、ドライバーは近づいてくる車を止まっていると誤認してしまい、見通しの良い交差点での衝突事故発生につながる。
シュリーレン現象
- 「透明な物質の中で場所によって屈折率が違うと、その部分に縞やもやがかかったように見える現象。」
物理学。陽炎は熱せられた地面付近の空気が上昇することとで、シュリーレン現象によって起こる。Schlierenとはドイツ語で「むら」の意味。
チンダル現象
- 「コロイド溶液に光を当てると、光が粒子にあたって散乱され、光の筋が見える現象。」
物理学。主にミー散乱によっておこる。薄明光線(ヤコブの梯子)もこの一種。
ジョン・ティンダル(John Tyndall, 1820~1893, 英, 物理学者・登山家)。アルプスのヴァイスホルンに初登頂したことでも知られる。
ブロッケン現象
- 「高い山で太陽を背に立った時、影が光輪をまとって霧に投影される現象。」
物理学。「ブロッケンの妖怪」とも。ドイツ・ハルツ山地の最高峰ブロッケン山でよく見られたことに由来する。日本では「御来迎(ごらいこう)」と呼ばれ、阿弥陀如来が姿を現したものと信じられていた。
バックドラフト現象
- 「火災の際、密閉された空間で空気が不足していたころに急に外気が取り込まれると、爆発的にに燃え上がる現象。」