略称とその正式名称
教科書
- →教科用図書
初等・中等教育の学校では文科省の検定済みの教科用図書を使用しなければならないと定められている。最大手は東京書籍だが、理数系では数研出版、歴史系では山川出版社、国語では光村図書、音楽では教育芸術社、技術系では実教出版、地図帳は帝国書院などが強い。
食パン
- →主食用パン
英語ではwhite breadである。名前は、明治時代に外国人が主食として食べていたことを示すためにつけられたとも、当時消しゴムとして使われていた「消しパン」と区別するためにつけられたともいわれる。ちなみに、食パンの袋を留める器具のことをバッグクロージャーという。
定食
- →一定の食事献立
対義語は一品料理やアラカルト。
首相
- →首席宰相
内閣の主席の大臣という意味で、prime ministerの訳語。日本では非公式な名称であり、内閣総理大臣が正式名称。また、ドイツのbundeskanzler、中国の国務院総理も日本では首相と呼ばれる。
zoo
- →zoological garden
zoologyは動物学の意味。もともと1828年に開園したロンドン動物園を指す固有名詞だっものが一般化した。ちなみに、日本初の動物園は1882年開園の上野動物園である。
リストラ
- →restructuring
再編成・再構築の意味。転じて、人員整理、およびそれに伴う解雇のことを指す。re(再び)+structure(構造)+ing(~すること)。
軍手
- →軍用手袋
旧日本軍の兵士が用いたことにちなむ。丈夫で伸縮性に富むため様々な用途をもつ。
デマ
- →demagogy
ドイツ語。もとは政治的意図をもって流す情報のことだが、現在は単に根拠のないうわさのことを指す。デマゴーグ(demagog)とは民衆を扇動し、急進的・暴力的に導く指導者のこと。
レトロ
- →retrospective
懐古趣味。英語で懐古的の意味。retro(後ろへ)+spective(見る)。
落款
- →落成款識(らくせいかんし)
書画に押す印鑑のこと。
署名の下に印す。姓名印は白文(陰刻)、雅号印は朱文(陽刻)。
会釈
- →和会通釈(わえつうしゃく)
もともと仏教用語で「互いに矛盾するように見える教義を照合し、真実を見出すこと」を表した。そこから転じて「さまざまな状況を考慮する」「相手を思いやる」の意味となり、さらに転じて軽いお辞儀を意味するようになった。会通(えづう)ともいう。ちなみに、会釈するときの角度は約15°。
ボールペン
- →ball point pen
ペン先に小さな球がはめ込まれてあり、回転してインクを滲出させる。「ボールペン」は和製英語。ハンガリーの発明家ラースロー(Biro Laszlo 1899~1985)が発明した。
バス
- →omnibus
オムニバスとは乗合馬車のこと。もともとパリには、パスカルの考案した「5ソルの馬車」という乗合馬車があったが、早くに廃業した。そのため、ボードリー(Stanislas Baudry 1777~1830仏、実業家)が「すべてのもののために」を意味するオムニバスと名付けて乗合馬車を開業した。その後乗合馬車全てを指す一般名詞となり、時代の変化とともに乗合自動車がオムニバス、略称バスと呼ばれるようになった。ちなみに、omnibusには「複数の作者による作品を集め、ひとまとめにしたもの」という意味もあり、芸術作品にも使われる。
プレハブ
- →prefabricated house
prefabricatedは「組み立て式の」という意味。工場で部品を生産し、現地で組み立てる建築の方法をいう。
ピアノ
- → clavicembalo col piano e forte
「強い音と弱い音を出せるチェンバロ」の意味。その名の通り、チェンバロ(ハープシコード)にはない音の強弱を生み出せる。発明者はクリストフォリ。
ド級
- →ドレッドノート(級)
ドレッドノートはイギリス海軍の戦艦、およびそれと同規模の戦艦。dreadnoughtは「恐れ知らず」の意味。本艦1隻で従来戦艦2隻にあたると言われたほど強力であった。しかし、1906年の進水以降、各国で建艦競争をまねき、弩級戦艦やそれを超える超弩級戦艦が多く建造された。